ホロトロピックとは、トランスパーソナル心理学で用いられる用語で「全体性に向かう」という意味を持っています。トランスパーソナル心理学では、人間の一生を大いなる宇宙へ向かう魂の成長と進化ととらえています。つまり仏教的な悟り、宇宙との一体感、すなわち自己超越を目指すことを「ホロトロピック」といっています。では、「全体に向かう」という意味をもつホロトロピック医療は、どのような医療でしょうか。現代医療が病気の原因を個々の細胞に求めるのに対し、ホロトロピック医療では病気とその治療も含めたすべてを、意識の成長と進化の重要なプロセスとして扱い、病気を魂の成長のための「気づき」と捉えます。ですから病気を治すためには、結果として表面に現れた症状を解消する西洋医学的アプローチに加え、病気に至った本質的な原因に目を向けそれに気づき改善することが必要となります。ホロトロピック医療では、生きることとは何か、死ぬこととは何かについて正面から向き合います。その結果はじめて本来人間に備わっている自然治癒力(自己治癒能力)が発現してきます。従って実際には、病気に対して現代医学の最新手技による治療と種々の代替医療を行うだけでなく、その病因となった生活習慣に目を向け、瞑想、食事法、呼吸法、気功法、心理療法、その他各種セラピーを併用して原因となった様々なストレスの解消と自然治癒力を十分発揮できるような環境づくりを行います。